:基本情報・関連リンク
- 会場・提携:シアター風姿花伝
企画・製作:アマヤドリ
主催:合同会社プランプル
脚本・演出:広田淳一
照明:三浦あさ子
演出助手:木村恵美子
出演:笠井里美
松下仁
糸山和則
渡邉圭介
小角まや
榊奈津美
中村早香
- 劇団アマヤドリ
http://amayadori.sub.jp/
シアター風姿花伝
http://www.fuusikaden.com/
:広田淳一氏の発言資料
- 【ぬれぎぬ】広田淳一ロング・インタヴュー
1/4 http://amayadori.sub.jp/archives/3580 「悪と自由」三部作vol.1『ぬれぎぬ』の構想
2/4 http://amayadori.sub.jp/archives/3595 『ぬれぎぬ』の登場人物について
3/4 http://amayadori.sub.jp/archives/3637 劇団員、そしてこれからのアマヤドリについて
4/4 http://amayadori.sub.jp/archives/3657 戯曲『ぬれぎぬ』の固有性
:上演中メモ
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(※※※主にミザンスを中心に。公演中の演出変更もあり、実際の上演内容とは大幅に間違っている可能性が大です)
- ▼【0】開演前
・舞台装置は以下のとおり。斜めに配置した三列の長机、その周りの椅子とベンチ。下手奥にホワイトボードと掃除機。上手前に腰掛け、冷蔵庫、小テーブル(小道具のぬいぐるみ等が乗っている)。左右壁際に待機椅子。上手奥に階段。下手奥が出入り口。
・開演前の音楽はなし。交通量の多い道路の騒音のSEが微かに。
- ▼【1】過去の夢
◆「ふたりの家-1 着信」
・まだ客席の照明が明るいうちから、ホワイトボードの裏を通って有島登場(まだ道路のSEは鳴っている)。椅子1に坐る。バッグを足元に置く。机1にファイルを広げて読む姿勢に。SEで時計の秒針の音(有島が職場で遅くまで仕事していることの暗示)。
・秒針の音が二重になり、音楽が鳴って、向井、遠藤、村田が舞台下手を真直ぐに進んで登場。向井は上手待機椅子へ。遠藤と村田は下手待機椅子へ。で、照明変化。
◆「ふたりの家-2 約束」
・向井は待機椅子に坐らず、バッグを置いただけでそのまま立って、舞台前を上手から下手へ歩きながら、有島と電話で会話。向井は客席の方へ身体を向けて会話する(「いやー大変ですね」で前を向く)。電話会話なので当然有島と向き合ったりすることはない。
・有島、「おでん?」で電話しながら前のめりに。
・有島、「なんなのちょっと」で姿勢変化。背もたれに背をつける。
・通話が終わると、有島はすぐに小道具をバッグに片付け始める。向井は上手前へまた移動しながらモノローグ。そのモノローグの終結部で、下手待機椅子から遠藤が立って冷蔵庫まで歩いて行く。遠藤が動き出すからワンテンポ遅れて門田も登場、椅子2へ。有島はバッグを肩に掛ける。モノローグ後、向井は上手前の腰掛けに待機。
- ▼【2】門田/占部
◆「門田の場合-1 出勤」
・交通量の多い道路のSE。
・有島は椅子1の傍からホワイトボード前を通って下手前に移動しながら(移動始めからすぐに)、遠藤に電話を掛ける。冷蔵庫傍の遠藤が出て、電話会話。有島は下手前、遠藤は冷蔵庫に肘を突いて話す。
・通話が終わって直後、有島ため息をつく。遠藤は上手の待機椅子へ。
◆「門田の場合-2 面談」
・下手前に立っていた有島は、机2の向こうへ移動。ベンチにバッグを置き、机2に録音機とファイルを開いて置いて、机2の向こう側に立ったまま、机2に手を突いて、椅子2にいる門田と対話を始める。「かえって落ち着かないでしょう、こういうトコじゃ?」「しばらくアクリル板みたいなのがずっとあったでしょ?」→机2にアクリル板が立ててあったかのようにイメージされる。
・有島は「えーと、どこまでお話させてもらいましたっけ……」でファイルを見る。向井のモノローグの前振り。
・向井の最初の語り(「僕は、人材派遣会社の「ニンゲン」っていうところに勤めている……」)は、腰掛けから立って行なう。有島は向井が喋っているあいだはファイルに目を落としつづける。向井はそれから上手奥に向かって歩き、そのあたりをうろうろしている。次の語り(「「ニンゲン」ってのが僕の登録している会社の名前なんですけど……」)はそこで行なわれる。
・有島、「そりゃあ……分かち合おうとするんじゃないですかね」で腕を組む。
・向井が「しかも安月給だってのにサービス残業は基本だし……」の語りを始めたところで、村田は下手待機椅子から舞台前を横切って上手前の腰掛けへ。そこで「なんだったら定休だってガンガンに削ってきますもんね」の科白を言うが、向井はそれに同調する「それなんだよ」を言いながら、反時計回りに舞台を回って同じく上手前の腰掛けのところへ来る。二人が「上司!」のポーズをやるのも上手前で。(この二人の掛け合いのあいだ、有島は「言ってないですよね。うまいことは別に言ってない……」の科白を言った後なので苦笑いしている。)
・そのあと、向井は反時計回りに半周、村田は時計回りに舞台を半周して、ホワイトボードのところへ。向井は特区の刑務所の位置づけを説明する図を描き始める。
・有島は「あー、どういう時間なのか……」で考え込むふうにし、「あの、いいですよホント言葉遣いはもう、リラックスした感じで……」のあたりで手振りをしながら前に出て来て、椅子3付近(机2と机3のあいだ)に立つ。「私はこの町の、つまりこの行政特区の独自制度として……」のあたりでさらに前に出て来て椅子5に坐る(向井の説明を聞く体勢に)。村田も椅子4に坐る。
・向井がホワイトボードを使って説明語り(「まずはそう、この特区の刑務所が民間によって運営されているってことがひとつ……」)を始める。説明終わると村田も椅子から立ち、協力して二人でホワイトボードの絵を消す。消し終わると、二人とも立ったまま有島と門田の方を向く。
・向井の説明が終わって後、有島は椅子5から門田と対話。「私どもの民間業者が外部委託を受けてやっていると……」で有島椅子から立つ。そして「ってなんかすみません、あんまり説明が上手じゃなくって」で机2の向こう側に回って、九州土産のにわかせんぺいを取り出しに行く。その動きと入れ違いになるように、ホワイトボードの前に立っていた村田は時計回りに舞台を回って上手前腰掛けに坐る。
・向井の次の語り(「で、こっちのこの、有島りえぴょん、と僕はあの……」)はホワイトボードの前から下手前へと歩いて行きながら。村田がそこに突っ込み(「ええ〜?」)を入れるのは、腰掛けに坐ったまま。そして次に口を挟む時(「この、特区では」)は、その場で飛び上がるようにして。もう一度「この、特区では」を挟む時は、下手奥まで立って歩いて行って。向井は下手前に立ち尽くしたまま客席の方を向いて喋る(「一夫多妻とか多夫一妻とか、挙句の果てには多夫多妻とか……」)。
・有島と門田の対話がまた始まって、門田が「分かち合いを拒否したのは彼女です」の言葉を言ったあたりで、向井と村田が同時に動き出す。向井は舞台前を通って上手待機椅子の前へ、村田は後ろを通って下手待機椅子の前に移動して、二人でタイミングを合わせて坐る。そこから観客の注意が有島と門田に向かうように若干照明変化。
・有島、「いや……できませんよ、そんなことは」の後にファイルを手に取る。有島「彼女がそういう、近付くなとか、そういう命令を出したことが門田さんには辛かったってことですよね?」以降から、ファイルを手に持ったまま前へ移動。椅子4の辺りに来る。そしてさらに「ま、それはじゃあ、一旦いいとして……」の科白あたりでさらに前に出て来て、舞台最前、一気に上手前まで回って来て、客席に背を向ける形で椅子2に坐っている門田に間近で話し掛ける。このため門田は客席の方(有島の方)に身体を向ける体勢になる。
・有島「必要なことなんです、門田さんには」で膝を曲げ一瞬しゃがむような体勢に。
・門田「もういいですよ!」で有島から身体を向きを逸らす。
・有島は「それじゃ、今日はこれで」で、冷蔵庫脇を通って机2の向こう側へ行き、バックの中に小道具を片付ける。また、「それじゃ、今日はこれで」と同時に遠藤が上手待機椅子から立ち上がっていて、冷蔵庫の後ろを回って、上手前の腰掛けの前に立つ。
・有島の「失礼します」は、ホワイトボードの前に立ってお辞儀をしながら。
・上手前にいる遠藤はずっと上手方向を見ている。
◆「門田の場合-3 連絡」
・交通量の多い道路のSE。
・有島はホワイトボードの前から、反時計回りに舞台を回って、椅子4と椅子5を迂回して上手前の腰掛けのところへ。その有島の移動と入れ替わりに(有島の「失礼します」の後)、門田はにわかせんぺいを持って退場。有島と遠藤、二人並んで立って電話会話。
・有島と遠藤の会話が始まったらすぐ、次のシーンの準備で、下手待機椅子に坐っていた村田、上手待機椅子に坐っていた向井、同時に席を立つ。村田は椅子4に移動。向井は机1と机2の間を通ってホワイトボード前まで来て一旦立ち止まる。すると占部も出て来て、椅子3に坐る。それを見届けてから向井は椅子4を迂回して椅子5へ移動、坐る。
・電話の途中で有島、腰掛けに坐る。遠藤の誘いに対するやんわりした拒絶を示す体勢変化。
・通話が終わると、遠藤は舞台前を横切って退場。有島は舞台奥を通って退場。
◆「占部の場合-1 殺人問答」
・有島が完全に退場する前からもう占部は喋りだす。
・占部、「柏餅とハムスターのコラボしたキャラクターが……」あたりで前に乗り出す。
・占部「『人間いくつになっても……』あるわけねーだろそんな話」あたりでまた前に乗り出す。
・向井「話題を変えましょうか」で机の上に手を組む。
・「すっごいよあれ」で前に乗り出す占部。そして「こうやって、パクーって」でテンション上がる占部。
・占部「ショッボイなあ」で後ろにもたれる。向井の「ええ、ショボイんです」の科白の後に、村田くしゃみをする。このくしゃみで、占部と向井の対話が一旦落ち着く。そこから「どうしろっつーのよあたしに?」の科白。
・向井、「そうですか」の科白で眉を掻く。その動きで占部に腕時計を注目される。占部、「ってなにそれ、いい時計してんじゃん」で椅子を引いて前に乗り出す。
・占部「ほらね、そうやって正面からの議論は逃げるんだよ」で姿勢変化。後ろにもたれる。
・占部「ま、もしも罪なんてものがこの世にあるんだとすればの話だけどね」でまた前のめりに。
・占部「あたしも命の重さってやつをもっと深く理解できるかもしんない」で髪に手をやる。
・向井、「……まあ、時間はたくさんあるですから焦らず行きましょう」の科白で立ち上がる。机3の端に立つ。
・占部、「あ? 楽しいか。楽しいよな」で椅子を移動して村田の方に迫る。
・向井、「一応紹介しときましょうか、村田さんです」で身振りだけで村田に礼を促す。
・向井、「あ、伝えたければご自分でどうぞ」で椅子5に置いてあったバッグを取って、上手待機椅子へ退場。向井のその科白を受けて村田すぐにノートを開く。
◆「占部の場合-2 筆談のシーン」
・筆談の言葉はプロジェクターでホワイトボードに投影される(操作しているのは上手待機椅子の向井)。
・占部、「やらねえよそんなことは」でまた椅子を村田から遠ざける。
・占部、「か・え・れ」の科白で手話をやっているっぽい。
・占部と村田がやりとりをしている途中(占部の「なんだようっとうしいな」の科白あたり)で、遠藤がゆっくりと現われて上手奥の階段に登って坐る。このとき、階段にはすでに照明が当たっていて、遠藤はその下に坐る。なんか両手の指と指をくっつけたような姿勢で坐って待つ。
・占部が「脳みそ腐ってんなこの女」とシーン最後の科白を言うのと入れ替わりに、すぐ有島出て来る。上手奥の階段の傍へ。階段に坐っている遠藤に見下ろされる形になる。有島が立ち止まる前からすでに、遠藤喋り始めている。「そういうことじゃダメなんだよ、有島さん……」。
- ▼【3】刑務所から遠く離れて
◆「株式会社キョウセイ・リンク-1 指導」
・遠藤が喋り始めてからゆっくりと照明変化。有島が事務所に戻ってきて遠藤から指導を受けているというシーン。遠藤は手に録音機を持っている。
・遠藤×有島の会話が始まってからも、何度か占部と村田のあいだでノートが往復するが、やがて村田は立ち上がって占部に一礼して、下手待機椅子へ。
・村田が退場してからも占部は机3に肘を突いてうつむいたまま退場せずにいる。
・遠藤、「録音聞いてたらもう……」あたりで階段を降りて、机1を挟んで有島と対話する形に。
・遠藤が「『統制された情緒的関与』これ基本でしょ?」と言ったのに対して、有島は「統制された情緒的関与」と復唱しながら、遠藤が手に持ったまま机1に置いている録音機を取ろうとするが、遠藤はそれを避けて上手前へ歩いて行く。
・遠藤が舞台前に歩いて来るタイミングで占部退場。
・有島「はい。おっしゃる通りです」で机1に手を突く。
・上手前の腰掛けのところへ坐った遠藤は、「じゃあ、ちょっと肝心なこと一個教えといてあげるけどね」の科白で隣りを手で叩いて有島に坐るように促す。有島も上手奥から上手前へ歩いてやってきて、坐る。二人はやたら距離を詰めて会話する。
・遠藤は「あなたも出来る人なんだから……」で有島の背に手をやる。そして「あの、生類だけちゃんと、まとめといてね」で立ち上がって、冷蔵庫の傍に立ってまだ腰掛けに坐っている有島を見下ろす形に。「おう。気合いな!」の科白を言ってから退場の流れ。有島は次で向井に電話をするからその場にとどまる。
・向井は有島が「待つ。心がけて」の科白を言ったあたりで上手待機椅子から立ち上がって、カバンを持って椅子1の後ろを通って(椅子1の付近で一旦立ち止まって、有島と遠藤のやりとりを見据える)反時計回りに舞台をまわり、椅子4にカバンを置いて、遠藤と有島の対話が終わり次第、机2の傍に立って遠藤を見送りつつモノローグを入れる(「所長には確かに経営手腕ってものがあって……」)。向井のモノローグが始まってから、村田も下手待機椅子からベンチへ移動。向井はモノローグ終わりに下手前にやって来る。と同時に有島立ち上がる。
◆「株式会社キョウセイ・リンク-2 通話」
・村田はベンチに坐って携帯電話を弄っている。有島は上手前で冷蔵庫に寄り掛かりつつ(彼女の目線は上手の方向)、向井に電話。電話のコール音が鳴っているあいだ指で冷蔵庫の扉の上辺をいじくっている。向井は下手前で立ったまま電話を取る。
・途中で電話を村田に代わるとき、ベンチから立った村田は自分の携帯を上着に仕舞いながら前に──机2と机3のあいだまで歩いてくる。
・電話を村田に代わってから、向井は椅子5に坐る。
・村田との通話の終わり近く、「それだけだから。ごめんね」あたりの科白を言いながらもう有島退場(このタイミングだと村田が「あ、はーい。失礼しまーす」と言った頃にはもう舞台から消えている)。椅子1の後ろを通っていく動線。村田は椅子3に坐る。
◆「株式会社キョウセイ・リンク-3 一服」
・机3を挟んで村田と向井の会話。
・向井、「たまたまじゃなれないでしょそんな」で後ろにもたれる。
・村田、「おめでた、なんじゃないですか? 有島さん」で脚を組む。
・向井、「や、でもね、見る目は確かなんだよ」でまた前のめりになり、机に手をのせる。
・向井、「うわーがんばって」で若干身体を引く。
・向井の「『今終わったとこなんで帰ります』って返信しといてよ」で向井と村田同時に立ち上がる。向井が机1と机2のあいだを通って上手の方へ歩きながらモノローグ(「この頃は僕もりえぴょんもとにかく疲れてました……」)しているあいだに、村田はホワイトボードの裏をわざわざ回ってホワイトボード脇に。この途中で有島が出てくるので、村田は一旦ホワイトボード裏で有島が通り過ぎるのを待つ。有島の通り過ぎるのを待った村田がさらにホワイトボード前に回ってから、遠藤も出て来る。村田、出て来た遠藤に挨拶する。有島は舞台前を通って、大回りして机2の端へ。
- ▼【4】一途な恋/夫婦の形
◆「株式会社キョウセイ・リンク-4 朝礼」
・シーン開始時、遠藤はホワイトボードの前、村田はホワイトボードの脇、向井と有島は上手側、机2の端に立つ。
・社員全員で「はいっ!」って言ってから向井のモノローグ(「僕らは毎朝、それぞれの派遣先に出勤する前に一度……」)になるが、そのあいだに村田は時計回りに舞台をまわって一旦舞台最前まで来てから、舞台を横切って机3と机2のあいだ、机2と机1のあいだをジグザクに通って上手奥へ。向井はモノローグしながら机1と机2のあいだを通って下手前へ。有島は次のシーンの準備で、ベンチにバッグを置き、机2にファイルを広げて、椅子3の位置を調整してからまた机2の端に立つ。
・「行ってまいります!」の後に村田、遠藤、向井は反時計回りの動線で退場。それと入れ替わりに佐野と門田が入って来る。
◆「門田の場合-3 被害者遺族との面会 第一回」
・門田は椅子2に。有島はベンチに、下手寄りに坐る。佐野は椅子4に。方向として門田と佐野は向き合っているのだが、机3と机2の配置上、目線はズレている。
・手紙を読むときに佐野は立ち上がる。(手紙はそのまま手に持ったまま以後移動。)
・「じゃあ、帰ります」を言ってから佐野はすぐに上手前の腰掛けへ移動し、坐る。坐ってからため息をつく佐野。
・有島は「ごあいさつ……」と言うときに立って、その流れでホワイトボードの前へ移動。
◆「門田の場合-4 親族、面談」
・有島はホワイトボードの前に立ち、佐野は上手前の腰掛けに坐って対話。
・「出てくるんですよね? あの人」で佐野は斜め後方を振り向く。
・佐野と有島が対話しているあいだに、門田は椅子2の方向を変える。
・佐野、「所長さん、どちらでしたけ?」の科白で立つ。有島の「はい。お呼びしておきます」の科白の後に、佐野と有島、同時に動く。佐野は退場。有島は、机1と机2のあいだを通って、机1を回り込んで椅子1へ(坐らない)。この椅子1へ行くって謎の動線だが、なんとなく佐野を見送りに行ったという印象。そして次のシーンでは一旦門田と距離を取ったところから距離を詰めて行くというミザンスになる。
◆「門田の場合-5 続・愛と殺人の言い訳」
・椅子1付近にいる有島、机1に手を突いて、門田の背後から話し掛ける形に。「今日はまだ、初めての面談ですから……。ずっと黙ってたわけじゃないんだから上出来ですよ」。
・門田、集中すると右手で喉元を掻くという癖がある?
・有島、「だって、えーと、なんですかその……」の科白で、何かを確認するかのように前に出て来て、机2に開いているファイルのところまで行く。「たくさん無言電話をかけてみたりとか、一日に何百通もメールを送ってみたり……」。
・門田、「彼女はそれぐらいスペシャルな存在だったんです」で有島の方を向く。が、有島の「それはご家族にとってもそうでしょう?」に対して目を逸らす。
・有島、保育士の話を出すとき(「だったら、彼女の好きなようにさせてあげなくちゃ。彼女はだって……なんですか?」)にファイルを手に持って椅子3付近まで移動、さらに門田に近付く。そのまま椅子3付近に立ったまま話す。
・門田の「諦めたから殺したんです。諦めなければ殺しません」に対して有島リアクションで呆れたようなため息。「全然繋がらないですよ……」。
・有島、「いや、ちょっとそれは話がズレてますよ」で手を顔にやる。
・門田、「名前で呼ぶなって言ってるでしょう!」でその場で飛び上がる。
・門田の「僕は、そういう人間じゃない!」に対して、有島リアクションでため息をつく。一旦間を置き、ファイルを閉じて机2に置いてから、有島は机3の前に回って椅子5に坐る(机に左肘を置く)。椅子5まで近付いて来た有島に対して、門田は少し身体を逸らす。有島の「彼女のどこが好きだったんでしょう?」の科白はこの移動後。
・門田の「はい……素敵な人でした、本当に」は小声でスタート。
・有島、門田のビーバーの顔真似がどうのという話に、リアクションで微笑する。その他、脚本にはないが門田の長科白に「ええ」などの相槌を入れている。
・門田、「僕が彼女のチュニックを褒めて……」のあたりで椅子に乗る。「だって、泣かないじゃないですか?」あたりで椅子の上に中腰で立ち上がっている。
・門田、椅子の上に立ち上がっている状態で、「だった素敵な人は世の中にいっぱりいるんです」で客席の方に身体を向ける。が、また「彼女も言ってましたよ。僕は魅力がないって……」で有島の方を向く。
・有島、門田の「どうしてこのすばらしくない僕を産んだんですか?」に対して、一旦笑いを挟んでから、わりと力強い声で「生まれてきた方が良かったんです、あなたは」の科白。「いや、きっとあったんです」の科白もわりと攻撃的に。
・門田の「僕はきっと彼女を見つけ出して、出会って、そして殺します」を受けて、有島は処置なしというふうに俯く。この後の間で音楽が掛かり、現われた向井がバッグ椅子4に置いて、掃除機のコンセントを差し、上着を着たままノリノリで掃除機を掛け始める。それを背景にして門田と有島はまた対話をつづける。
・有島、「宇宙の外は難しいかもしれないですけど……」の科白で、椅子5から立つ。このあたりで、向井は一旦上着を脱いで椅子4に掛ける。
・有島が「今日はもうおしまいにしましょう」と言ってから、音楽止む。向井も掃除機を止める。掃除機の音はすぐにオフにはならず、しばらくシュゥゥゥ……という音が後を引く。向井は掃除機のコードを片付けて、そのままホワイトボードの傍に立って待機。
・「僕もちょっと疲れました。有島さんも……」と言いながら門田坐る。それに対する「いえいえ……」の科白の後、有島は録音機を止めるために椅子5から机2に向かう。「ああ、もう……全然ダメですね、私」の科白を言うときは手前から机2に手を突いて。荷物をまとめて帰る準備をするのは、机2の向こう側に回って。「用便願います!って言わないとほら、おしっこもらしちゃいますよ」も机2の向こう側から。
・有島がほぼ小道具をバッグに片付け終えたタイミングで、門田は「もう結構ですよ」と言う(有島の方は見ずに)。
・有島はバッグを肩に掛け、ホワイトボードの前に立って、「また来ます」で一礼。そしてわざわざホワイトボードを回り込んで、下手奥の待機椅子へ。そこで上着を脱いで置く。ホワイトボード脇に立っていた向井は机2と机3のあいだを歩きながらモノローグ(「実際、それからの門田は何も話をしなくなってしまったそうです……」)。ゆっくりと椅子2に向かう。門田はそれと入れ違いに反時計回りの動線で舞台奥通って退場。
- ▼【5】悪とは罪の露見なり
◆「ふたりの家-3 いたわり合うこころ」
・向井は椅子2に坐る。有島は机2の向こう側を通って、小テーブルの上の縫いぐるみを取って、上手前の腰掛けに坐る。向井は足を投げ出して坐る。二人とも上着を脱いでいることと、腰掛けの傍の冷蔵庫が良い感じに生活感を出している。
・向井と有島が話し始めるとすぐに、遠藤が現われてインターホンの用意を下手でやり始める。
・有島、「ヒエーだね」で後ろにのけぞる。
・有島、「いや、びっくりしちゃってさ」で後ろに手を突く。
・向井、「そりゃりえぴょんの担任なんだから」でキモい身振りを入れる。それに対して有島「なにそれ」と冷たいリアクション(台本にはない)。
・有島、「今日、ご遺族の方と面談があったんだけどね」で向井の方に身体を向ける。
・遠藤、インターホンを鳴らしてからホワイトボードの後ろに隠れる。
・有島、「はーい、今開けますねー」でインターホンのコードを飛び越えて下手奥の待機椅子へ。そこでまた上着を着て坐る。向井は「と、まあね。ええ。今から思えば当時の僕は……」で立ち上がってモノローグ開始。もう一度遠藤が誤ってチャイムを鳴らすまで(「だけど、そのチャイムの音は確かに……」のあたり)かなり熱を込めてモノローグする向井。だがその二度目のチャイム音にモノローグを邪魔されてからは、消沈する。
・「だからこの時の話は遠藤さんにしてもらおうと思います」で向井は有島が腰掛けに残していった縫いぐるみを手に取る。
・語り出す前に、ちょっとジャケットを直す仕草をする遠藤。
・なぜか「うちの旦那の女遊びで迷惑をかけまして……」のくだりは思いっきり節を付けて言う遠藤。歌舞伎か!
・遠藤の話を聞いている向井は始終険しい顔。
・遠藤は自分の科白を喋ってからすぐにインターホンを持って退場。
・向井は「その日はなんだか話をする気にもなれなくて……」のモノローグで縫いぐるみを小テーブルに戻す。そして上手前に突っ立つ。
・向井は「僕らは翌朝、まるで打ち合わせしたみたいに……」のモノローグを始める前に、結構早足で舞台前を通って椅子4へ行き、その背もたれに掛けてあった上着を取って着る。並行して有島は下手奥の待機椅子からバッグを持って椅子5へ移動。坐る。
◆「株式会社キョウセイ・リンク-5 一緒にいる理由」
・向井は椅子4をまわり込んで椅子3へ。「そこで初めて、少しだけ昨夜のことについて話をしたんです」のモノローグが終わった瞬間に坐り、喋り始める。「……どうしたいの君は?」
・向井、「え、本気で言ってるの?」で机の上に手を組む。
・向井のこの「じゃあなに、バレなければよかったてこと?」の追求は結構厳しいので、有島はそれに対する「だからそういう、なんだろう、家族のいる人とそういうことになったってのもよくなかったとは思うし……」の科白で超困った顔をする。
・向井、「まあ、別にいいんじゃない。それは」と言いつつも、動揺で泣きそうになっている感じ。たまにこめかみを掻く。
・有島、「まだ、もうひとつ言っておかなくちゃいけないことがあって」の前に立ち上がる。立ち上がるというか、椅子5の後ろに回って、椅子の背もたれを両手の指でつまんで少し前に身を傾げるような立ち姿になる。向井とのあいだに椅子5を介在させて防壁にしているような感じ。
・村田が登場すると、有島は「おはよう」と言いつつまた椅子5に坐る。村田は机1にバッグを置いて退場するが、すぐに再登場。ホワイトボードの脇に立つ。
・村田、「あたしもいいですか?」から上手前の腰掛けへ。
・向井、「というか、せっかくだからレナちゃんにも……」の科白で立ち上がる。それを受けて有島当惑した顔。その他、これ以降向井と村田のあいだで交されるやりとりに対して椅子5に坐ったまま有島は色々リアクションを取る。基本的に険しい顔つき。
・向井、「産むべきかどうかって話なんだけどね。悩んじゃってちょっと今、二人で、なー」でこれみよがしに有島の方を見る。有島ため息をつく。
・村田、「あ、ですよね、なんも問題なかったら……」あたりから立って冷蔵庫に寄り掛かる。
・有島の「辞めるならあたしが辞めるから別に」に対しての「え、なにその言い方、ちょっとおかしいでしょ」で向井は、有島に迫っていって、椅子3に坐る。
・向井は「いずれにせよ二択だもんね答えは……。ん、違うか」で立って、ホワイトボードのところまで行き、図を描く。
・「しなくていいわけでしょ鑑定なんか? 断固拒否、ってことだったらさ」のあと、向井はペンを置いて「いや、もちろんそれはあなたが決めることなんだけどね」のあたりでまた椅子3に一旦坐る。が、「だってあれじゃん、俺の子じゃないんだったら……」でホワイトボードの方を振り向く。そして「ていうかあれか、あーなに?」でまたホワイトボードの前まで立って行く。
・村田「気まずいって何がですか?」の後の沈黙のあいだ、向井が村田を見て、村田が有島の方を見る。有島は目を逸らす。それから村田は「コーヒー飲みます?」で机1と机2のあいだを通って冷蔵庫の方に駆け寄ろうとする。
・村田がコーヒーを淹れようとするより先に、向井は「いや、俺は先、行くわ」の科白とともに椅子4に置いてあったカバンを取って出て行こうとする。ホワイトボード脇で村田とやりあってから、ホワイトボードを回って向井退場。
◆「株式会社キョウセイ・リンク-6 村田と有島」
・村田はまた冷蔵庫の方に「ミルクとお砂糖どうします?」と言いながら向かって行くが、有島に「やっぱいいやコーヒー」と言われてから「はい」と俯いて後、有島の方に背を向けたまま、冷蔵庫の傍に気まずい感じで立つ。有島は「いや、ごめんねホント……」と言いながら立ってホワイトボードの図を消しに行く。やがて村田は有島の方を向いて、冷蔵庫に背中からもたれる感じで立つ。
・村田の「いや、べつになんもないですけど……すごい顔してますね」のときに(すでにホワイトボードの図は消し終わっている)有島、椅子3付近まで出て来る。村田は「んー、なんでってこともないんですけど……」あたりでゆっくりと腰掛けに坐る。
・村田の少年院の話になってから(有島「少年院? え? え?」/村田「顔、顔」)、有島椅子3に坐る。有島、村田の話を聞くのに机3に肘を突いたりする(「んー……いろいろあったんだあ」あたりの科白など)。あるいは腕を組んだり(「あー、へー」あたりの科白など)。
・村田、「でも、少年院はあの、そういうの残んないんで」で少し目を逸らす。
・村田、「あ、でも悪いことしたっていってもあれですよ……」で若干慌てたように前のめりに。
・村田、「だって聞いてくださいよ!」で身体を有島の方に向ける。
・有島、「なんかあるの? 次にやりたいことっていうか……」あたりの科白でおもむろに立ち上がって、冷蔵庫に近寄っていく。入れ替わりに村田も腰掛けから立ち上がり、机1と机2のあいだを通ってベンチの端まで歩いて行く。
・有島が「向いてないからってこと?」の科白を言うあたりのタイミングで占部が出て来て椅子5に坐る。筆談のためのノートを持っている。占部は坐った時からもうノートを開いて文字を書き始める。
・有島は会話しながら村田に飲み物を入れてやる。村田は会話しながら、次のシーンの準備で机2に筆談のためのノートと鉛筆を置き、ノートを開く(カバンは「株式会社キョウセイ・リンク-5」での登場時から持っていて、それを前もってベンチのところに置いていた模様)。
・有島、「でも辞めない方がいいよレナちゃんは」の科白を言いながら、椅子5付近に置いてあった自分のバッグを取り、腰掛けへ。横向きに坐る。「と思うよ、あたしは」の科白でバッグからファイルを取り出して開く。村田との話が終わった後(「キョドっては無いけど別に」の科白後)も、有島は退場せずに客席に背を向けて腰掛けに坐ったままファイルに目線を落としている(後で遠藤から電話が掛かってくるのを受けるため)。
◆「占部の場合-3 占部と村田」
・交通量の多い道路のSE。
・前のシーンからシームレスに、村田がベンチの周りを一回時計回りにまわってから、上手寄りに坐って、ノートを引き寄せてから、占部と筆談開始(とはいえ、書いた文字を口に出す)。
・占部は「死ねって言っただろ」の科白以降は、立って歩きながら喋る(しかし村田はずっと椅子5の方を見ながらリアクションする)。「犯罪者だからだよ☆」の科白で机3に手を突く。占部は反時計回りに舞台をまわって、冷蔵庫の外を通って、椅子1に一旦坐る。「お手伝いだよ☆」の科白は坐ったまま机1に手を突いて前に乗り出して言う。そのあたりで音楽が流れ出す。占部は再び立って歩いてホワイトボードのところへ。そこで金持ちの老人と貧しい子供の絵を書く。
・占部が「残念でしたね」と言うあたりで、遠藤がゆっくりと現われて、ホワイトボードの裏を通ってホワイトボードの前へ。占部の描いた絵をじっくり見てから、それを消す。
・占部は「私には興味あるのか?」の科白を言いながら、また椅子5に坐る。このときはっきり占部と村田の目が合う。「あ、無いです」。
・村田の「はじめて意見が合いました」で占部と村田、笑い合う。だが笑い終わりに占部は哀しげな表情になる。
・このシーンが終わったあとも占部は退場せずに村田との筆談を続ける。
◆「株式会社キョウセイ・リンク-7 向井と遠藤」
・村田が「はじめて意見が合いました」の科白を言い終わってから、すぐに遠藤の携帯電話が鳴る。そして向井が電話を耳に当てながらかなりの早足で現われて、まっすぐに舞台下手前まで歩いて来る。そこから(ホワイトボード前にいる)遠藤と電話会話。
・有島の話題が出てから、有島にも照明が当たる。有島は客席に背を向けるのでなく、横向きになって、やはりファイルに目を落としている。
・通話が終わっても、占部と村田は筆談を続けている(ノートに文字を書いているだけだが)。向井は下手待機椅子に退場。
◆「株式会社キョウセイ・リンク-8 依頼退職」
・遠藤、場所を動かずにそのまま上手前の腰掛けに坐っている有島に電話を掛ける。電話を掛けている時の遠藤の前言語状態では、かなり腹を立てているっぽい。
・途中で(遠藤が「いや、もちろんその、今回の僕らの間のことって言うのは一切関係なしにね」と言うあたり)占部との筆談を終えて村田は立ち上がって一礼し──それに対して占部は片手を上げて応える──、退場しようとするが、有島が電話で村田の話題を出したので(「村田さんがあの……」)、一瞬立ち止まる。しかし遠藤が「俺がどうこうっていう問題ではないんだけどね」と言うあたりで再び動き出して、退場。遠藤の前を横切って行く動線。
・遠藤の「俺がどうこうっていう問題ではないんだけどね」の科白に対する有島の「ああ、はい」は、かなりがっかりした感じ。
・占部はそのまま椅子5に坐りつづけて次のシーンのため待機。身体は客席の方に向けている。
・遠藤と有島の通話が終わってから、向井が待機椅子から立ち上がってモノローグ。遠藤はホワイトボードを回って退場。有島は向井の「……ただ時間だけが過ぎて行きました」の科白が終わるまでは坐っているが、それから舞台前を横切って退場。それと入れ違いに向井も舞台前を通ってモノローグをしながら(「長い長い一年とでも言いたくなるような一週間が過ぎていきました」)反時計回りで椅子1へ。
- ▼【6】ぬれぎぬ
◆「占部の場合-4 占部、向井」
・向井、椅子1に坐ってノートを広げる。椅子5に坐っている占部との筆談(ただし占部は口頭で応える)。
・占部、「もう飲めない」で頭を振って俯く。
・向井の「占部さんは変わりましたね」に対する「お変わりありません」で占部、姿勢を正す。
・占部が「今日はおしまいさようならー」と言ったあたりで、門田、有島が登場してくる。ホワイトボードの裏を通って、二手に別れ、門田は椅子1の後ろを通って椅子2へ、有島はベンチへ。
・占部の「殺すな」を受けて、向井立ち上がり、小道具をバッグに片付ける。と同時に有島がバッグからファイルと録音機を出して机2に置く。占部も立ち上がる。このタイミングで佐野も登場、最短距離で椅子4へ。佐野はメモ帳を手に持っている。
・向井の「失礼します」後、向井、占部、ほぼ同時に退場。
◆「門田の場合-6 被害者遺族との面会 第二回」
・「門田の場合-3」とほぼ同じミザンス。
・佐野の「だから聞いてんのかよ!」には観客もビビリます。有島も若干ビビって立ち上がりかける。
・佐野が「ちゃんと鏡見なよ。ありえないから優子とあんたが付き合うとか」のあたりで有島、佐野と門田の両方のことを気にしつつヤベェーって顔をしている。
・門田の「ありがとうございます」に対して、有島それを手で制すように「うん、うん」と苦笑い。
・「立たなくていいからあなたは」の流れで、有島は机2と机3のあいだを通って上手前へ、佐野はホワイトボードの前へ。
◆「門田の場合-7 佐野と有島」
・佐野「え、ホントに気付きません?」のあたりで机2に手を突いて身を乗り出す。
・同性愛の話題が出てから、少しずつ有島と佐野は喋りながら移動する。時計回りに、佐野はホワイトボードの前から上手奥へ、有島は上手前から下手前へ。それにつれ照明も変化。
・有島と佐野が話しているあいだ、門田は椅子2の方向を向け変える。
・佐野、「……ぜんぜんまともに聞いてくれなくって。考え過ぎだろうって。それで終わりにされちゃって」の科白で尻上がりにヴォリュームが上がって行く。
・佐野の「どうぞよろしくお願いします」がシーン最後の科白だが、この後に有島の方が先に動く。机1と机2のあいだを通って、机1を回り込む形で椅子1へ。佐野はホワイトボードの後ろを通って退場。
◆「門田の場合-8 有島との最後」
・有島は椅子1の傍に立って、門田に話し掛ける形に。「答えなよ!」は机1に手を突いて。「答えなよ!」の後に口に手をやる。
・有島、「大変でしたねホント。怖かったなー」あたりから前に出てきて、机2の付近に。机2に手を突く。
・門田、「私ね、今日で最後なんですよここ来んの」に対するリアクションは、キョトンとした感じ。
・有島、「ふうん。体調くずさないようにね」の科白の後の間で、さらに前に来て、ゆっくり椅子3に坐る。足を投げ出すような感じで。「生まれてこない方がよかった人なんかいない、ってこないだ言ったじゃないですか?……」。
・有島、「胸張って生きていけばいいじゃーん」で腿を打つ。
・有島の「って変な話してごめんなさい」に対して、門田は首を横に振るリアクション。
・有島、「なんかいい感じの幕切れだねー」で背もたれに手をやる。
・有島、「最後にどうしても聞いとかなくちゃいけないことがありまして」の後の間で、録音機を止めるために一旦立つ。そこからは机2の向こう側に立ちながら門田に話し掛ける。「ここからは、録音無しで行きましょう」で腕を広げる。「少しは反省できました?」で机2に手を突く。「門田さんは本当に好きな人が別にいて……」から声が強くなってい行く。
・有島、「それですよ。ええ、それを教えて欲しいんです」で机2の上に前のめりになる。
・門田、「もう帰ってくださいよ!」で椅子2から立ち上がって後ずさる。この時有島は目を逸らしている。
・有島、「じゃあ、優子さんはあなたのストレス発散のための道具だったの?……」で前に出て来て椅子3の付近に立つ。有島も門田も立って対話する形に。
・有島、「わかるわけないでしょそんなの」で呆れたような笑い。
・門田、「それ以上なんか必要あります?」で動揺を抑えるかのように再び椅子2に坐る。
・有島「うそだよバーカ! するわけないでしょそんなこと」と言ってから机2の向こうへ回って手早く小道具をバッグに片付ける。「そうやって言って、あんたと同じ立場になったらいろいろ話すかなあと思ったんだよ」の科白回し、ゲスくて素晴らしい。対する門田のリアクション、打ちのめされかけたような感じ。
・門田は「嘘ですよね?」と言うときに立ち上がる。それに対するリアクションで有島真顔に。そして門田退場。雨音のSE。有島はしばらくそこに立ち尽くしているが、上着を脱いで、それを椅子の背もたれに掛け、そのまま椅子4に坐る。
・門田の退場と入れ替わりに(上着を脱いで手に持っている)向井が現われて舞台前を通って上手腰掛けに坐る。このときは有島にのみ照明が当たっているので、向井の動線は目立たない。
- ▼【7】未来の夢
◆「ふたりの家-4 ふみこめない一歩」
・雨音のSE止む。しばらく間。
・有島の「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」に対して、向井はリアクションで立ち上がる。
・村田から掛かって来た電話を取ってから、向井また腰掛けに坐る(坐ってから通話開始)。村田、ホワイトボードの横に現われる。向井と村田の通話中(「病欠ってことにしときましょうか?」あたり)で遠藤も現われて階段へ。
・向井と村田の通話が終わってからは、舞台前の向井×有島のやり取りとパラレルに遠藤×村田の会話が進行。
・村田、「やっぱ大変ですね、有島さんいなくなっちゃうと」で、机1に手を突いて椅子4に坐っている有島の方を見る。
・向井は、村田、遠藤退場後の「じゃあ、行ってくる」で立ち上がり、一旦有島の方に寄ってから、また腰掛けのところへ戻って上着を着る。
・向井、「でさ、そこに電話がかかってきて」でカバンを腰掛けに投げ出す。「俺なりに、そのつもりだったんだよ」あたりから有島の方に向かって歩く。